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債権回収の基礎知識
◇債権とは
商品を売ると、売主は買主に売買代金の支払いを請求することができます。
買主は、売主に商品の引渡しを請求することができます。
このようにある人が他の特定の人に金銭の支払いや商品に引渡しなど一定の行為を請求することが出来る権利を債権といいます。
債権を有する人を債権者といい、義務を負担する人を債務者といいます。
債権は、民法上@契約A不法行為B不当利得C事務管理によって発生します。
@契約
契約は「申込み」と「承諾」という、当事者双方の意思表示の合致により成立します。
貸した金を返せといえるのは、貸すとき・借りるときに期限が来たら返すという当事者の約束があったからです。
この約束のことを契約といい、契約により債権が発生します。
A不法行為に基づく損害賠償請求権
合意が無くても、一方に故意または過失があって他方に損害を発生させた場合は、被害者に損害賠償債権が発生します。
他人に故意または過失によって損害を発生させた場合を不法行為といいます。
B不当利得に基づく不当利得返還請求権
不当利得とは、正当な理由なしに財産的な利得を得て、これによって他人に損失を及ぼした人に対して、その利得の返還を命ずることです。
損失を受けた人から利得を得た人に対し、その利得の返還債権が発生することになります。
不当利得返還請求権は、下記の要件がある場合に認められます。
●相手が利得を取得したこと
●自分に損失が発生したこと
●相手の利得が自分の損失によって発生したこと
●相手の利得に法律上の原因がないこと
C事務管理に基づく費用償還請求権
事務管理は、法律が、親切な行為について、親切な行為をはじめた以上は、頼まれたときと同じように責任をもって世話をしてもらい、その代わり、その費用を請求することです。
◇商事債権と民事債権の違い
商事債権とは、商人間の取引に基づいて発生する債権をいいます。
また、当事者の一方にとって商行為である場合には、双方に商法が適用されます。
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民法 |
商法 |
法定利率 |
年5% |
年6% |
消滅時効 |
10年 |
5年 |
債務者が数人いる債務 |
分割債務 |
連帯債務 |
保証人となったとき |
通常の保証 |
連帯保証 |
留置権 |
留置するものとそれによって担保される債権の間に関連性が必要 |
民法上の関連性は不要 |
代理の方式 |
本人のためにすることを示す必要がある |
民法上の条件は不要 |
@民法上の法定利率は、年5%ですが、当事者のどちらか一方にとって商行為である場合の債務では、法定利率が年6%になります。
商人間で、金銭の貸し借りをする場合、特に利息を定めなくても当然に年6%の法定利息を請求することができます。
A民法上、一般の債権の消滅時効は10年ですが、当事者のどちらか一方にとって商行為である場合の債権の消滅時効は、5年になります。
ただし、売掛金債権の消滅時効は2年になります。
B商事において保証は当然に連帯保証になります。
C留置権とは、債権の弁済を受けるまで、債務者の所有物を債権者のもとに置いておくことができる権利をいいます。
民法上は、その物と債権の間に個別的な関連性がないと留置権は発生しません。
商人と商人との間で、双方のために商行為である行為によって生じた債権については、債務者の物を債権者が商行為によって占有していた場合、物と債権との間に個別的な関連性がなくても、弁済を受けるまでその物を留置することができます。
D代理の方式に関し、民法では代理人が本人のためにすることを示して取引しないと代理の効果が発生しないのが原則です。
商行為の場合は、代理人が本人のためにすることを示さなかったときでも、原則として本人に対して生ずることになります。
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