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契約書の作成
◇契約書の必要性
本来、契約は当事者の合意により成立するので、書面の作成は必ずしも必要ではありません。
書面がなくても契約は成立します。
ただし、保証契約は、書面でなければ、その効力は生じないことになりました。
また、特別法で特定の契約につき書面の作成・交付が必要とされるものもあります。
特定の契約でなくても、原則として取引に際しては契約書を作成する必要があります。
契約内容を明確にし、訴訟や仮差押などの法的手続きに必要だからです。
◇期限の利益喪失条項
契約で履行期限が定められている場合、期限が到来するまでの間は債務の履行が猶予されます。
このように期限の到来まで債務者が受ける利益を期限の利益といいます。
民法は、下記の場合に、債務者は期限の利益を主張することができないと規定しています。
@破産手続開始の決定を受けたとき
A債務者が担保を滅失、損傷、減少させたとき
B債務者が担保提供義務を怠ったとき
債務者は、約束の期限が到来しなくても、直ちに債務を弁済しなければなりません。
実務では、民法に定める場合の他に、特約で期限の利益を喪失させる合意をしています。
これを期限の利益喪失約款といいます。
期限の利益喪失約款は、下記の場合に意味があります。
@代金債権の期限は未だ到来しないものの、債務者が売主以外の他の第三者に対し振り出した手形が不渡りになったとき、また、債務者が他から差押を受けたときなど、債務者に信用不安があっても期限が到来していないため債権回収行為に入ることができない場合があります。
このような場合に、契約締結時に「債務者が1回でも不渡事故を起こしたとき」「債務者に差押命令の申立があったとき」は期限の利益を喪失する、と合意しておけば、すぐに債権を回収できます。
A貸金債権について、債務者が支払困難になり、分割弁済で和解をしたところ、第1回の弁済期から支払わなくなってしまった場合、そのままでは各分割弁済時に、しかも期限の到来した分割金合計額しか権利行使ができないということになります。
このような場合には、「分割金の支払いを1回でも怠ったとき」には、分割金のすべてについて期限の利益を喪失する、と合意しておけば、債務者は残額を一時に支払わなければならなくなり、債権者は直ちに貸金全額を返還請求できることになります。
◇利息・損害金条項
利息・損害金に関する合意がない場合は、買主が代金を支払わないときに、民事では5%、商事では6%の損害金しか請求できません。
貸金債権の利息については、利息制限法により次の制限があり、これを超える約束をしても超える部分は無効となります。
元本が10万円未満の場合 |
年20% |
元本が10万円以上100万円未満の場合 |
年18% |
元本が100万円以上の場合 |
年15% |
損害金についても、賠償額の元本に対する割合が、上記制限率の1.46倍を超える約束しても、その超過部分は無効になります。
◇契約解除条項
売買契約における代金支払期限より前に買主が不渡を出した場合など、信用不安を起こしても期限が来ていないので、売主は何ら法的手続きを取ることが出来ないことがあります。
買主は債務不履行がなくても、売主は契約を解除して商品を取り戻すなどの行為が出来るように、法定の解除原因のほかに、売主・買主間の合意で解除原因を定めておくことができます。
◇公正証書作成条項
「甲は甲の費用負担において、いつでも本契約について強制執行認諾約款を付した公正証書の作成に応ずる」という趣旨の規定を設けておけば、公正証書を作成することによって訴えを提起する手間を省くことができます。
◇管轄条項
契約書の中で「自己の住所地を管轄する裁判所を管轄裁判所とする」と合意をしておくと、その後の紛争に対処しやすくなります。
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