サイト内検索
|
最初にこちらのページに来られた方はトップページからどうぞ。
取得時効の所有の意思の判例
@民法186条1項の所有の意思について、判例では下記のように論じております。
<事案>
甲が所有不動産を長男Aに譲与したが、その後甲が死亡した。
Aはこの不動産を占有していたので、これを時効取得したとして、次男Bと三男Cとを相手にして所有権移転登記を起こし、1,2審ともAが勝訴。
しかし、最高裁はこれを破棄した。
<最高裁の理論>
・占有者には所有の意思ありと推定されるが、推定だから反証があれば覆る。
・占有権原の性質上、所有の意思がなければ推定は覆る。
例、土地賃借人
・本件での贈与が確定的に証明されたら、その場合は贈与の成立であって時効の問題ではない。
・贈与が確定的ではないが消極的には認定できる場合に取得時効の所有の意思が問題になり、占有継続していれば所有の意思は推定される。
・しかし、占有者が占有中、真の所有者であれば通常はとらない態度を示す。
例、土地の一部を担保にして贈与者名義で借金をしている。
・真に所有者なら当然取るべき行動にでなかった。
例、所有権移転登記手続きをしようとしたこともなく、固定資産税を支払った事もなく、また、贈与者に権利証の所在を尋ねたこともない。
などのときは、上記の推定は覆され、所有の意思がなかったとされ得る、としています。
A占有開始のとき占有者が15歳位であっても所有の意思をもって占有したといえる。
B他人所有地に権原によらずして自己所有の樹木を植えつけて20年間、所有の意思で平穏・公然と占有したら、その占有者はその樹木の所有権を取得する。
C共同相続人中の一人が単独で相続したものと信じて相続財産を占有し、使用し、公租公課も自己名義で納め、これに対し他の相続人も異議を述べなかったときは、右相続財産につき単独で占有したとして時効取得する。
D所有の意思は占有取得の原因事実によって外形的客観的に定められる。
スポンサードリンク
|