承認後の時効援用 |
消滅時効完成後に債務を承認した債務者は、完成を知らなかったとしても、以後、援用できない。 |
承認後の時効援用 |
交通事故の加害者が被害者に保険金請求及び受領の委任状を交付した時は、時効完成後の承認となり、時効援用は信義則違反となる。 |
承認後の援用 |
消滅時効完成後に承認しても、その後再び時効完成すれば援用できる。 |
援用と権利の濫用 |
農地転用許可申請協力請求権の消滅時効の援用が権利濫用として許されない場合
@売主は既に代金全額を受領し、かつ、申請協力要請が再三あったのに拒否していた時。
A老母扶養を条件とした贈与で受贈者が扶養を尽くしていた等の事情があったとき。 |
時効援用前の売買 |
農地売買における許可申請協力請求権の消滅時効が援用されるまでの間にその農地が非農地化したら売買は成立する(消滅時効を援用できなくなる)。 |
保証人等の援用権 |
物上保証人、保証人、担保物権の第三取得者は、主債務者とは独立の立場で消滅時効を援用できる。ただし、その効力は相対的であって、主債務者と債権者との関係には及ばない。 |
連帯保証人の援用権 |
保証人(連帯保証人)は、主債務の消滅時効を援用できる。 |
援用権者の制限 |
消滅時効の援用権者は、権利の消滅により直接利益を受ける者に限定される(例えば近親者であるだけでは援用権はもたない)。 |
詐害行為取消権の援用 |
詐害行為の受益者は詐害行為取消権を有する債権者の債権の消滅時効を援用できる。 |
物上保証人の援用権 |
物上保証人(譲渡担保提供者)は被担保債権の消滅時効を援用できる。 |
援用の効果 |
時効は期間経過により確定的に生ずるものではなく、援用によって確定的に生ずる。 |
起算点選択の可否 |
取得時効の起算点はその基礎たる事実で決定されるものであって、援用権者が任意で選択できない。 |