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手形の振出人が倒産
所持している手形の振出人が倒産してしまった場合、所持人は、支払期日前でも裏書人に遡求することができます。
遡求するためには、期日前でも振出人に支払のための呈示をし、拒絶証書を作成した上で裏書人に請求します。
手形の表面には、拒絶証書不要の記載がないので、振出人が支払を拒絶したことを公証人に証明してもらう必要があります。
振出人が取引停止処分を受けている場合は、支払期日前に支払銀行に手形を呈示して、「期日前並びに取引停止処分による解約後」という付箋をつけてもらうことで、不渡りの事実を裏書人に証明します。
手形の振出人が会社更生法の適用を受けていたり、内整理に入っている場合には、次にように債権回収していきます。
会社更生法とは、株式会社だけに適用される法律で、裁判所が介入して会社再建を目指す制度です。
手形の振出人の会社が会社更生法の適用を受けている場合は、裁判所から債権の届出書が送られてくるので、これに必要事項を記入して、手形の写しを添付し、届出日までに着くように裁判所に書留郵便で送り返します。
会社更生法の場合は、財産保全処分命令によって財産の処分が禁じられます。
債権総額が10万円以下なら保全処分命令に反しないので、手形金額が10万円以下で、それしか債権がない場合には支払ってもらえる可能性があります。
手形は、更生会社に対する債権のうち担保の付かない更生債権に分類されるので、例えば元利合計の80%を切り捨てられて、残り20%を3年から5年の分割払いで、というように支払を受けます。
しかし、次の3つの条件がそろった場合には、手形金額の全額を支払ってもらえます。
@手形の所持人が中小企業であること
A所持人にとって更生会社が主要取引先であること
B手形金を支払ってもらえないと所持人が事業を継続できなくなること
この場合には、更生会社の管財人に依頼して、裁判所に支払許可の申請を出してもらいます。
なお、裏書によって手形が流通し、それによって取得した者などは裁判所もわかりませんから、債権の届出書が送られてきません。
しかし、届出をしないと配当は受けられません。
届出書はどこの裁判所にもありますから、手形の所持人は、裁判所に直接取りに行って届け出なければなりません。
内整理は、裁判所が介入しない倒産処理の方法で、会社再建にも会社の清算にも利用されます。
内整理は、私的整理とか任意整理とも言われますが、決められた法的手続があるわけではありません。
手形の所持人は、債権者集会の通知を受け取ったら必ず出席して、債権者についての情報を集めます。
会社に資産がなくても、会社経営者個人に責任を追及する可能性があるからです。
債権者集会で決定された配当案に賛成ならば、債務者と和解契約を結んで議決された配当を受けることになりますが、議決には法的な拘束力がありませんから、その議決に反対、あるいは債権者集会に欠席したならば、個別に手形金の支払を請求することもできます。
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